肱枕ひぢまくら)” の例文
ひつゝ法華僧ほつけそう哄然こうぜん大笑たいせうして、そのまゝ其處そこ肱枕ひぢまくらして、乘客等のりあひらがいかにいかりしか、いかにのゝしりしかを、かれねむりてらざりしなり。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かへりて仕合好しあはせよしと、貫一は打労うちつかれたる身をのびやかに、障子の月影に肱枕ひぢまくらして、しばら喫烟きつえんふけりたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
秋日和あきびよりのつくほど上天氣じやうてんきなので、徃來わうらいひと下駄げたひゞきが、しづかな町丈まちだけに、ほがらかにきこえてる。肱枕ひぢまくらをしてのきからうへ見上みあげると、奇麗きれいそら一面いちめんあをんでゐる。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
と、とのさまはいま二合にがふで、大分だいぶ御機嫌ごきげん。ストンと、いや、ゆか柔軟やはらかいから、ストンでない、スポンとて、肱枕ひぢまくらで、阪地到來はんちたうらい芳酒うまざけゑひだけに、地唄ぢうたとやらを口誦くちずさむ。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)