職務しょくむ)” の例文
子宮脱しきゅうだつならなるたけ早いほうがえいでしょう。糟谷かすやくん職務しょくむはだいじだ。ぼくが留守るすをしてあげるから、すぐと深川へでかけたまえ」
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
かれきわめてかたくなで、なによりも秩序ちつじょうことを大切たいせつおもっていて、自分じぶん職務しょくむおおせるには、なんでもその鉄拳てっけんもって、相手あいてかおだろうが、あたまだろうが、むねだろうが
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
やぶれたシャツはうちに置いてたから、今この職務しょくむ忠実ちゅうじつ教育家きょういくかのこわばった手の動きにつれて、新しいざっぱりしたシャツがさやさやと、かすかなおとを立てているのだ。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
バキチ、きさまもだめなやつだ、よくよくだめなやつなんだ。もう少し見所みどころがあると思ったのに牛につっかかれたくらいで職務しょくむわすれてげるなんてもう今日限きょうかぎ免官めんかんだ。すぐふくをぬげ。
バキチの仕事 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
時間のゆるすかぎり、糟谷かすや近郷きんごうの人の依頼いらいおうじて家蓄かちく疾病しっぺいを見てやっていた。職務しょくむ忠実ちゅうじつな考えからばかりではないのだ。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
職務しょくむるのはまえにもいやであったが、いまはなお一そういやでたまらぬ、とうのは、ひと何時いつ自分じぶんだまして、かくしにでもそっと賄賂わいろ突込つきこみはせぬか、それをうったえられでもせぬか
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
窃盗せっとう嫌疑けんぎけて、身体検査しんたいけんさまでされ、半裸体はんらたい姿すがたちながら、職務しょくむ忠実ちゅうじつすぎる男の自由じゆうにされる——これがはずかしくないだろうか? しかし、これも経験けいけんなのだ。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)