糸車いとぐるま)” の例文
旧字:絲車
あの、糸車いとぐるまのブンブンいう音をきくぐらい、たのしいことはありません。おまえのむすめを、いますぐおしろへよこしなさい。
ニールスはあわてて、大きな糸車いとぐるまのうしろにかくれようとしましたが、ズルスケは早くも、それを見つけて、おどりかかろうと身がまえました。
ちょうど日当ひあたりのいい縁側えんがわに、おばあさんがすわって、したいて、ぷうぷうと糸車いとぐるまをまわしていとつむいでいました。
おじいさんの家 (新字新仮名) / 小川未明(著)
夕飯ゆうはんがすむと、ぼうさんは炉端ろばたすわって、たきにあたりながら、いろいろたびはなしをしますと、おばあさんはいちいちうなずいてきながら、せっせと糸車いとぐるままわしていました。
安達が原 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
変だと思っていると、何処どこでかかすかに糸車いとぐるまを廻す音がきこえたともうします。
糸繰沼 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
古風な糸車いとぐるまの前で
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「このおうちでございますか。」と、おばあさんにきますと、おばあさんは、糸車いとぐるまをまわすをやめて、つくづくとねえさんと正雄まさおかおをながめながら
おじいさんの家 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるのこと、太郎たろうひとはたけあそんでいました。とおくのほうで、糸車いとぐるまおとこえてきました。うみのあるほうそらが、あおくよくわたってくもかげすらなかったのです。
薬売り (新字新仮名) / 小川未明(著)