“糸底”のいろいろな読み方と例文
旧字:絲底
読み方割合
いとぞこ90.9%
いとそこ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうしたら、うしろで「いやあだ。」と云う声と、猪口ちょく糸底いとぞこほどのくちびるを、らせて見せるらしいけはいがした。
田端日記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
客なき卓に珈琲わん置いたるを見れば、みなさかしまに伏せて、糸底いとぞこの上に砂糖、幾塊いくかたまりか盛れる小皿載せたるもをかし。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
津田君がこうった時、ははち切れて膝頭ひざがしらの出そうなズボンの上で、相馬焼そうまやき茶碗ちゃわん糸底いとそこを三本指でぐるぐる廻しながら考えた。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)