立待たちまち)” の例文
エヽなさけない、其處そこつてたくてもはじまらねえ、こんなことなら立待たちまちよりまちにすればよかつたものを。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二十三夜待にじゅうさんやまちなどとやや似ていたのは、立待たちまちといって氏神うじがみさまのやしろの前に、氏子うじこが何人か交替して立ちどおしに立っていて、そのあいだかねを鳴らしつづけること
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
まだ一時いつときだな、コレ有樣ありやう今夜こんやおいらは立待たちまちだからことがならねえ、此處こゝな、つててもはなし出來できやす。女「あほらしい、わたしつてはなしノウすることは、いや/\。 ...
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
夜あかしには立待たちまちと称して、夜更けて月の昇るまで坐らず腰かけず、または瀬待せまちといって必ず流れ川の岸に立って待ち、または迎待むかえまちといって月の出る方角へ、月の出るまで歩行をつづけるなど
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
三番叟さんばそうすひもので、熱燗あつかん洒落しやれのめすと、ばつ覿面てきめん反返そりかへつた可恐おそろしさに、恆規おきてしたが一夜いちや不眠ふみん立待たちまちして、おわびまをところへ、よひ小當こあたりにあたつていた、あだ年増としまがからかひにくだりである。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)