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留
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どま
ふりがな文庫
“
留
(
どま
)” の例文
是には往来の人もみんな心を動かしてゐる様に見える。立ち
留
(
どま
)
るものもある。可哀想だといふものもある。然し
誰
(
だれ
)
も手を付けない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
この男往来をあるきながら急に立ち
留
(
どま
)
り、石などを拾い上げてこれをあたりの人家に打ちつけ、けたたましく火事だ火事だと叫ぶことあり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
踵
(
かかと
)
の
上
(
あが
)
つた靴も
穿
(
は
)
かない
草履穿
(
ざうりばき
)
で
今日
(
けふ
)
も出たなら疲れはもつとひどかつたかも知れないと、
上
(
あが
)
り切つた
処
(
ところ
)
で立ち
留
(
どま
)
つて息を突きながら思つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
とうとうやつたな‥‥と、
私
(
わたし
)
は
思
(
おも
)
つた。そして、
總身
(
そうみ
)
に
身顫
(
みぶる
)
ひを
感
(
かん
)
じながら
立
(
た
)
ち
留
(
どま
)
つた。
中根
(
なかね
)
の
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えなかつた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
それを
庇
(
かば
)
う様に跛ひきながら歩くので、笹に埋れた倒木に行き当ると乗り越すに手間が取れる。二人はドンドン先へ行って、気が付くと立ち
留
(
どま
)
っては待っている。
奥秩父の山旅日記
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
▼ もっと見る
所長さんは、
日向
(
ひなた
)
に
立
(
た
)
ち
留
(
どま
)
って、ぼくを
摘
(
つま
)
みあげ、つくづくと見ていた。
もくねじ
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
兄
(
あに
)
の
家
(
いへ
)
の門を這入ると、
客間
(
きやくま
)
でピアノの
音
(
おと
)
がした。代助は
一寸
(
ちよつと
)
砂利の
上
(
うへ
)
に立ち
留
(
どま
)
つたが、すぐ左へ切れて勝手
口
(
ぐち
)
の方へ廻つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
むかし旅人が
路
(
みち
)
に
行暮
(
ゆきく
)
れて、とある小社の中に仮宿すると、夜深く馬の
鈴
(
すず
)
の音が聞えてきて社の前に立ち
留
(
どま
)
り、こよいは何村に産があります。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
と云いながら初さんは突然暗い中で立ち
留
(
どま
)
った。初さんの腰には
鑿
(
のみ
)
がある。五斤の
槌
(
つち
)
がある。自分は暗い中で小さくなって
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
健三はその輪の上にはたりと立ち
留
(
どま
)
る事があった。彼の留る時は彼の
激昂
(
げっこう
)
が静まる時に外ならなかった。細君はその輪の上でふと動かなくなる事があった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此汽車は名古屋
留
(
どま
)
りであつた。会話は
頗
(
すこぶ
)
る平凡であつた。只女が三四郎の
筋向
(
すぢむか
)
ふに腰を掛けた
許
(
ばかり
)
である。それで、しばらくの間は又汽車の
音
(
おと
)
丈になつて仕舞ふ。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
老人の部屋は、余が
室
(
しつ
)
の廊下を右へ突き当って、左へ折れた
行
(
い
)
き
留
(
どま
)
りにある。
大
(
おおき
)
さは六畳もあろう。大きな
紫檀
(
したん
)
の机を真中に
据
(
す
)
えてあるから、思ったより狭苦しい。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小野さんは自分の手元から半切れを伝わって机掛の白く染め抜かれているあたりまで順々に見下して行く。見下した眼の行き
留
(
どま
)
った時、やむを得ず、
睛
(
ひとみ
)
を転じてロゼッチの詩集を
眺
(
なが
)
めた。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三四郎は又立ち
留
(
どま
)
つた。三四郎は
脊
(
せい
)
の高い男である。
上
(
うへ
)
から美禰子を
見下
(
みおろ
)
した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
忙
(
いそ
)
がしい
徃來
(
わうらい
)
の
人
(
ひと
)
は
何人
(
なんにん
)
でも
通
(
とほ
)
るが、
誰
(
だれ
)
も
立
(
た
)
ち
留
(
どま
)
つて
見
(
み
)
る
程
(
ほど
)
のものはない。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
この草原を、散歩する人のほかに、こんなに行きつ戻りつするものはないはずだ。しかしあれが散歩の姿であろうか。またあんな男がこの
近辺
(
きんぺん
)
に住んでいるとも考えられない。男は時々立ち
留
(
どま
)
る。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「おおい」と後れた男は立ち
留
(
どま
)
りながら、
先
(
さ
)
きなる友を呼んだ。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「うん」と碌さんは
恨
(
うら
)
めしい顔をして、同じく立ち
留
(
どま
)
った。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
一人
(
ひとり
)
が
手巾
(
ハンケチ
)
で
額
(
ひたい
)
を拭きながら立ち
留
(
どま
)
った。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
留
常用漢字
小5
部首:⽥
10画
“留”を含む語句
立留
逗留
踏留
留置
小留
歌留多
繋留
停留場
留守中
滯留
御逗留
取留
引留
留針
長逗留
呼留
留金
抑留
三留野
突留
...