“踏留”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふみと33.3%
ふみとど26.7%
ふみとま13.3%
ふみとゞま13.3%
ふみとどま6.7%
ふみとゞ6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「はい、」と柳の下で、洗髪あらいがみのお品は、手足の真黒まっくろな配達夫が、突当つきあたるように目の前に踏留ふみとまって棒立ぼうだちになってわめいたのに、驚いた顔をした。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こうひしひしと寄着よッつかれちゃ、弱いものには我慢が出来ない。ふちに臨んで、がけの上に瞰下みおろして踏留ふみとどまる胆玉きもだまのないものは、いっその思い、真逆まっさかさまに飛込みます。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
芸術はそこに踏留ふみとまつてゐるものではなくて、その一歩先の、主客合一、乃至主客即不即の境まで入つて行かなければならないものではないか。
自他の融合 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
後に警察長は予審判事の頼みに従いて踏留ふみとゞまりは留りしかど最早夕飯の時刻なれば、成る可く引上げを早くせんと思いし如くそろ/\室中しつちゅう抽斗ひきだし及び押入等に封印を施し初めぬ。
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
不思議にも無難に踏留ふみとどまりし車夫は、この麁忽そこつに気を奪れて立ちたりしが、面倒なる相手と見たりけん、そのままかぢを回して逃れんとするを、俥の上なる黒綾くろあや吾妻あづまコオト着て
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「一年前にフラリとやつて來て、それから客分とも用心棒ともなく、此處に踏留ふみとゞまつてしまひました」