もちゐ)” の例文
これにいひけるは、たとひこの身重くして動くあたはずともかゝるもちゐにむかひては自在のかひな我にあり 一〇六—一〇八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
けれど、富むと云ふのはむさぼつてあつむるのではない、又貪つて聚めんけりや貨は得られんのではない、不正な手段をもちゐんでも、富む道は幾多いくらも有るぢやらう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
じんは以て下にあつけんは以てもちゐるにたるくわしてゆるめずくわんしてよくだんずとされば徳川八代將軍吉宗公の御治世ぢせい享保年中大岡越前守忠相殿たゞすけどの勤役きんやく數多あまた裁許さいきよ之ありしうち畔倉あぜくら重四郎ぢうしらう事蹟じせき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一寸ちよつと直りにくいのです、薬は薬でおもちゐになるがよろしいが、マツサアジユをなさらねばいけないから、お母様にも申して置きました、マツサアジユと申すとおつくうなやうですが
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
其処そこじや、間。世間に貴様のやうな高利貸が在る為に、あつぱれもちゐらるべき人才の多くがじや、名をきずつけ、身を誤られて、社会のほかに放逐されてむなしく朽つるのじやぞ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
丁子ちやうじねざす園の中にその奢れるもちゐをはじめて工夫くふうせしニッコロを除け —一二九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
じんは以てしもあつけんは以てもちゐるにたるくわにしてゆるめずくわんにしてよくだんずとまことなるかな徳川八代將軍吉宗公の御代名譽の官吏やくにん多しと雖も就中なかんづく大岡越前守忠相たゞすけ殿は享保二年より元文元年まで二十年のあひだ市尹まちぶぎやう勤役中きんやくちう裁許の件々其明斷を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
社の方でも山田やまだ平生へいぜい消息せうそくつまびらかにせんと具合ぐあひで、すき金港堂きんこうどうはかりごともちゐる所で、山田やまだまた硯友社けんいうしやであつたため金港堂きんこうどうへ心が動いたのです、当時たうじじつ憤慨ふんがいしたけれど
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「さうか。どうあつても僕のことばもちゐられんのじやな」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)