“生業”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なりわい65.2%
なりはひ12.1%
たつき9.1%
かせぎ3.0%
せいぎょう3.0%
いとなみ1.5%
しやうばい1.5%
なりはい1.5%
なりわ1.5%
ナリハヒ1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
旅の芸人までが寄って来るというわけで、はやここのふもとには、小さな町ほども人々が賑わって生業なりわいをいたしおるのでございまする
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
世に生業なりはひも数多く候に、優き優き御心根にもふさはしからぬやうの道に御入おんい被成候なされさふらふまでに、世間は鬼々おにおにしく御前様おんまへさまを苦め申候まをしさふらふか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その巷は、狂奔する兵馬以外には、ただの生業たつきのかけらもなかった。——三井寺の味方危うし——の声が高い。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
樵夫きこりはこれをしらず、今日の生業かせぎはこれにてたれり、いざや焼飯やきめしにせんとて打より見れば一つぶものこさず、からすどもは樹上きのうへにありてなく
生業せいぎょうということにかかわっていれば、らちもないことにもおどろくばかばかしさを主人はふかく感じた。細君さいくんもでてきて
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
或村あるむらに(不祥の事ゆゑつまびらかにいはず)夫婦ふうふして母一人をやしなひ、五ツと三ツになる男女の子をもちたる農人のうにんありけり。年毎としごとさけの時にいたればそのれふをなして生業いとなみたすけとせり。
だが、そのジプシイ共が実際どんな生業しやうばいをしてをるのか、そんなことは知らなくともよい。森の中でやたらにトンカントンカンと音がする筈ぢやが、その音の聞えて来る方角へは行かぬことぢや。
渡りあるきの生業なりはい昨日きのうの疲れ
随筆 寄席風俗 (新字新仮名) / 正岡容(著)
皇居をめぐる山紫水明さんしすいめいのひかりといい、町屋町屋の輝きといい、そこに生業なりわいし、そこに楽しみ、そこに安堵あんどしきっている市民といい、つい一昔前の、室町幕府の治下には
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遁れて後は、それとたのむべき生業ナリハヒもなく、貧しうものしければ、人も養はず、何わざも自らうちしつゝ、辛きめのみ見つゝ過ぎにけるを……。
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)