“河骨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうほね53.3%
かうほね33.3%
こうぼね13.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
真間川の水は菅野から諏訪田につづく水田の間を流れるようになると、ここに初て夏は河骨こうほね、秋にはあしの花を見る全くの野川になっている。
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
中央の池泉は水が浅くなり、なぎさは壊れて自然の浅茅生あさじうとなり、そこに河骨こうほねとか沢瀉おもだかとかいふ細身の沢の草花が混つてゐた。
夏の夜の夢 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
河骨こうほねは、抜いて捨てても、いつかひとりでに水に根を下ろして咲いている。お蔦は、あの泥水を好いて咲く黄いろい河骨の花だった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それがないとしのげませんほど、水の少いところですから、菖蒲あやめ杜若かきつばた河骨こうほねはござんせんが、躑躅つつじ山吹やまぶきも、あの
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もとは河骨こうほねのようなものと、もう一種の浮き草のようなものがあったのだと記憶している。
(新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ちひさなのは、河骨かうほね點々ぽつ/\黄色きいろいたはななかを、小兒こどもいたづらねこせてたらひいでる。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
周囲にはかややら、すゝきやらの雑草が次第もなく生ひ茂つて水際には河骨かうほね撫子なでしこなどが、やゝ濁つた水にあたらその美しい影をうつして、居るといふ光景であつた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
仲のいゝ友達のやうな蓮の葉が物をいつてゐる側には、河骨かうほねも夢を見てゐた。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
河骨かうほねなつゆめみて、
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
自分が始めてこの根本家を尋ねた時、妻君がしきりに、すきくは等を洗つて居た田池たねけ——其周囲には河骨かうほね撫子なでしこなどが美しくそのしをらしい影をひたして居たわづか三尺四方に過ぎぬ田池の有つた事を。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
奥様、おたまじゃくしの真中まんなかで、御紋着ごもんつきの御紋も河骨こうぼね、すっきり花が咲いたような、水際立ってお美しい。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大猷院殿たいゆういんでんの寛永の末ごろは、草ばかり蓬々とした、うらさびしい場所で、赤羽の辻、心光院の近くまで小山田おやまだがつづき、三田の切通し寄り、ひし河骨こうぼねにとじられた南さがりの沼のまわりに
ひどい煙 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)