河骨かうほね)” の例文
ちひさなのは、河骨かうほね點々ぽつ/\黄色きいろいたはななかを、小兒こどもいたづらねこせてたらひいでる。おほきなのはみぎはあしんだふねが、さをさしてなみけるのがある。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
周囲にはかややら、すゝきやらの雑草が次第もなく生ひ茂つて水際には河骨かうほね撫子なでしこなどが、やゝ濁つた水にあたらその美しい影をうつして、居るといふ光景であつた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
仲のいゝ友達のやうな蓮の葉が物をいつてゐる側には、河骨かうほねも夢を見てゐた。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
河骨かうほねなつゆめみて
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
自分が始めてこの根本家を尋ねた時、妻君がしきりに、すきくは等を洗つて居た田池たねけ——其周囲には河骨かうほね撫子なでしこなどが美しくそのしをらしい影をひたして居たわづか三尺四方に過ぎぬ田池の有つた事を。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
河骨かうほねの夏を夢みて
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)