あふち)” の例文
蘇枋咲くと、あふちそよぐと、霜置くとあはれ、一学期二学期よとあはれ、日の照ると、雨ふると、風ふくと、ると起きると、制帽かむる。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
是では暑くて不可ませんと明治初年に津田仙が大久保内務卿に勧めて樗櫪の才と云って支那では貶してゐるあふち一名臭椿くそつばきの樹を
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
どうせ一あふちこずゑに、けるくびおもつてゐますから、どうか極刑ごくけいはせてください。(昂然かうぜんたる態度たいど
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あふちいてゐるいへ外側そとがは木立こだちの下蔭したかげに、ぽた/\とつゆちるほどに、かぜきとほる。それは、幾日いくにちつゞいてをつた梅雨ばいうあがかぜである、といふ意味いみです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
あふちは茎をよこたへて
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あふちは、普通ふつう『せんだん』といつてゐるで、むらさきがゝつたはな夏頃なつごろきます。それがいへ外側そとがは木立こだちのなかに、まじつてゐるわけであります。それを作者さくしやがさみだれのころてゐるうた
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
藤の葉にとほる日ざしのすずしきはあふちの葉分く風そよぐなり
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
あふちは莖をよこたへて
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あふち外面そともかげ つゆおちて、さみだれるゝかぜわたるなり(前大納言忠良さきのだいなごんたゞよし
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
藤の葉にとほる日ざしのすずしきはあふちの葉分く風そよぐなり
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
羽根そよがせ雀あふちの枝に居り涼しくやあらむその花かげは
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
うちしらむ月のありどの雲のいろあふちの花は揺れそめにけり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
うちしめりなにかまばゆきの曇りあふちの花はいまだ了らず
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
互生葉かたみばあふち瑞枝みづえ風立ちてその涼しさはかぎりなく見ゆ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
互生葉かたみばあふち瑞枝みづえ風立ちてその涼しさはかぎりなく見ゆ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
よきあふち
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)