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捺
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おし
取替せしに
後藤平四郎と申名の下に
捺たる
印形は幸之進の實印に
相違なく然れども
夫ばかりにて
定め
難しと
存茶屋へ
參り
腰の物を
改め見候に
本夫の
脇差を
四つか五つの時分に、
焼火箸を
捺つけられた
痕は、今でも丸々した手の甲の肉のうえに
痣のように残っている。
持て私が取に
來る
然し事に
寄と
來れぬ時は御
前の内へ
直樣取に
遣から一寸請取を
書て
下さいと云ふにぞ道具屋は
書付を
認め
判迄捺て出しければ直八手に
取揚て
讀けるに
殺せしと
白状は致せしなれども此身にとりて覺えなきこと故至極
殘念に存じ爪印の
節恐れながら上を
怨む心より我を忘れて
逆手に
捺まして御座ると申ければ理左衞門大いに
憤ほり大の
眼を