“悪魔”のいろいろな読み方と例文
旧字:惡魔
読み方割合
あくま60.3%
サタン16.2%
デモン4.4%
ぢやぼ1.5%
でもん1.5%
チョルト1.5%
るしへる1.5%
デビル1.5%
デヸル1.5%
ルシヘル1.5%
アルカミアシ1.5%
オールド・ニック1.5%
チヨルト1.5%
デベル1.5%
メフイスト1.5%
ルシファー1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
悪魔あくま! 人でなし! かれらはこのかれんな子どもたちをどうしようとするのだろう、助けてやろうとは思わないのでしょうか?」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
なほ天堂に於ける天女エンゼルにして、もしその面貌醜ならむか、濁世だくせい悪魔サタン花顔雪膚くわがんせつぷに化したるものに、嗜好しかうの及ばざるや、はなはだ遠し。
醜婦を呵す (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ピリオドを打ち得ず、小さいコンマの連続だけである。永遠においでおいでの、あの悪魔デモンに、私はそろそろ食われかけていた。蟷螂とうろうおのである。
「なれど今『あんちおきや』の帝は、あめが下に並びない大剛の大将と承つた。されば悪魔ぢやぼも帝の御身には、一指をだに加へまじい。」
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
南蛮ほおといっている葡萄牙渡来の鉄の面甲には、悪魔でもん、鬼、獅子、狼、鷲など、いろいろの型があり、矢弾やだま掠傷かすりきずから面部を保護するための武具だが
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ロシアの人が言うように、一つの黒い小さい穴から一匹の悪魔チョルトが消えるものなら、何てどっさりの悪魔が、ここいら辺の雪の上についた穴から消えたことだろう。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
フェレラは彼女の昔の情人にでも似てゐて、それを「夢に見た事のある悪魔るしへる」なぞとごまかしたのではなからうか。
男の顔がはなはだ獰猛どうもうにできている。まったく西洋の絵にある悪魔デビルを模したもので、念のため、わきにちゃんとデビルと仮名かなが振ってある。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
全く西洋の絵にある悪魔デヸルしたもので、念の為め、そばにちやんとデヸルと仮名が振つてある。表は三四郎の宛名のしたに、迷へる子とちいさくいた許である。三四郎は迷へる子の何者かをすぐ悟つた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
夢の中で見たことのある悪魔ルシヘルの顔にどこか似ているわ。それよりも弱々しかったけれど。あなたほんとうに来てちょうだいね。
汝たちは、ここから急いで帰ったがいい。おまえたちの泊ろうとした場所は、たぶん悪魔アルカミアシがすんでいるところだろうから、津波もこないのに、いまにも襲いかかるように見せたのだろう。
そして悪魔オールド・ニックがすべて時計の形をしているものをことごとく手に入れてしまったらしい。
鐘塔の悪魔 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
その一人が、直接の主人よりナースチャになんだかおっかぶさって(悪魔チヨルトさらわれろヴァジミー
赤い貨車 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
可愛相だが悪魔デベル様の犠牲だ。ヘヘ。待っていたぞ畜生……うまく行けあ俺の信心は満点だ。大阪の金持以上の根性になれる。ヘヘ……義理も人情も、神も仏も踏殺して行けるんだ。
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
少女マルグリツトの家の戸口に悪魔メフイスト呼出よびいだす魔界の天使に御座候。彼女等はよる彷徨さまよふ若き男の過去未来を通じて、その運命、その感想のすべてを洞察し尽せる神女に候。
夜あるき (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「ああ、あの悪魔ルシファーがやって来た時のこと……」
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)