悪魔サタン)” の例文
旧字:惡魔
なほ天堂に於ける天女エンゼルにして、もしその面貌醜ならむか、濁世だくせい悪魔サタン花顔雪膚くわがんせつぷに化したるものに、嗜好しかうの及ばざるや、はなはだ遠し。
醜婦を呵す (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
泉州境せんしゅうさかいで親しくなった葡萄牙ポルトガル人スデロを呼び寄せ、高田御殿の中に祭壇を設けて、欧羅巴ヨーロッパ中世ちゅうせいに流行った悪魔サタンを祭神とする呪法を行ったのでした。
俳優で言えば、彦三郎、などと、訪客を大いに笑わせて、さてまた、小声で呟くことには、「悪魔サタンはひとりすすり泣く。」この男、なかなか食えない。
一日の労苦 (新字新仮名) / 太宰治(著)
なぜなら、わたしはフランシスの欲深な悪友どもや悪魔サタンの手先たちに、お金を使われたくないからです。そのお金であの人たちは、きっとばからしい罪を
そんないいお人のイサベラ様の子に、悪魔サタン孫兵衛が生れました。なんという皮肉、イサベラ様は生涯孫兵衛のことでご苦労なさいました。死ぬまぎわまで……。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
実に悪魔サタンがこの世にくだって以来、わたしほど傲慢無礼の動物はありますまい。わたしは更にリドへ行って賭博を試みましたが、そこは全く阿修羅あしゅらちまたともいうべきものでした。
『消え失せい、悪魔サタンの姿め! ここはうぬのをるべき場所ではないぞ!』
悪魔サタン悪魔サタン悪鬼ル・デモン
老嬢と猫 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
「……悪魔サタン……」
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そして私という者が、たえず影にいて、それを監視してまいったのですから、さすがの悪魔サタン孫兵衛も、あれで、自分の思う悪事を百にひとつもやれなかったのでございます。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
悪魔サタン悪鬼ル・デモン悪鬼ル・デモン
老嬢と猫 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
されど悪魔サタンは冷々然
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あれは飛んでもない神様のいたずら、すなわち、神を踏みにじッた返報に、おぬしへ与えられた美しい悪魔サタンだよ、それへ大事な使命を伝えてゆくなんて、あッはッはははは……あはははは
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「美しい悪魔サタン——二官様もそれを苦にして死なれました」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あれは美しい悪魔サタンだ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)