小窓こまど)” の例文
それは、さっき見つけた空気穴らしい小窓こまどのふたが、ひとりでに、ぱっとあいた。そしてそこから、さっとあかるい光線がさして来た。
時計屋敷の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
でも、これがまた、たいそうせまいので、戸というよりは小窓こまどのようでした。もうかたほうの破風のある壁には、低くて、はばの広い窓がありました。
ハンサムの小窓こまどを中に、グレッス・アンド・ガリーの書記さんと、こまりきった御者ぎょしゃとの間におし問答が始まった。
その塔には、階段かいだんもなければ、入り口もありません。ただ、ずっと高いところに小窓こまどがひとつあるきりでした。
い月だこと、まあ、とそのまま手を取って床板を蹈んで出ると、小窓こまどが一つ。それにも障子しょうじがないので、二人でのぞくと、前のいらかは露が流れて、銀が溶けて走るよう。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ところが、機関車きかんしゃ小窓こまどから前の方を注意ちゅういしていた私は、思わずアッと声をたてました……。
ばかな汽車 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
おとに立ちて小川をのぞく乳母が小窓こまど小雨こさめのなかに山吹のちる
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
彌生やよひ小窓こまどにあがなひて
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
小窓こまどれて青白あをじら
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
大變たいへんです。」「……」「ばけものがます。」「……」「先生せんせいかべのわきの、あの小窓こまどところつくゑいて、勉強べんきやうをしてりますと……う、じり/\とあかりくらりますから、 ...
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
機関車きかんしゃの前の方の小窓こまどからのぞきますと、右手はふかくしげった山のふもとで、左手には小さな谷川がながれていまして、二本のレールがあおじろくまっすぐにつづいています。
ばかな汽車 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
わたしはそのときその明かりが馬車の小窓こまどからはいって来ることを知った。
これは、故郷の杭州に建っている鳴弦楼めいげんろうだ。少年時代に遊びくらした部屋ではないか、おお、あすこには、なつかしい小窓こまどがある。あの外には絵のように美しい西湖せいこが見えるのだ。見たい、見たい、生れ故郷の西湖を
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
まる小窓こまど摺硝子すりがらす
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
和田わださんがまだ學校がくかうがよひをして、本郷ほんがう彌生町やよひちやうの、ある下宿げしゆくとき初夏しよかゆふべ不忍しのばずはすおもはず、りとて數寄屋町すきやまち婀娜あだおもはず、下階した部屋へや小窓こまど頬杖ほゝづゑをついてると、まへには
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
雨戸あまど小窓こまどもしめさつし。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)