つま)” の例文
我はこれを愛すること許嫁いひなづけつまを愛するが如くならず。されどその人の婦とならんをば、われまた冷に傍より看ること能はざりしならん。
もし両者に軽重の区別があると言いますならば、天津神は父、国津神は母、天孫民族はおっと、先住土着の民族はつまの関係という位のところであります。
さるほどに弟も生長して年頃としごろとなりしかば、縁ありしをさいわいとして兄はそのためつまを迎へりしに、この婦心狭くしてからぬものなりしゆゑ夫にむかひて、おんみはあたかも奴隷しもべのやうなり
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
材木町ざいもくちやう陶器屋たうきやつま嬰兒あかごふところに、六歳ろくさいになる女兒をんなのこいて、すさまじ群集ぐんしふのなかをのがれたが、大川端おほかはばたて、うれしやとほつ呼吸いきをついて、こゝろづくと、ひとごみに揉立もみたてられたために
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
十日ばかりさきに一〇七かなしきつまうしなひたるが、一〇八世に残りてたのみなく侍れば、ここに詣づることをこそ一〇九やりにものし侍るなれ。御許おもとにも一一〇さこそましますなるべし。女いふ。
老大にいたり して商人のつまとなる
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)