めあ)” の例文
実家さとの方は其頃両親ふたおやは亡くなり、番頭を妹にめあはせた養子が、浄瑠璃につた揚句あげくみせを売払つて大坂へ遂転したので、断絶同様だんぜつどうやうに成つて居る。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
そこで堯帝はふたりの御娘を舜王にめあわせて、後に帝位をゆずられたという例がございます。……陛下。ご賢察を垂れたまえ
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その養子の惠三郎にお信さんをめあはせる積りだつたのかも知れないが、だとしても、お信さんに、既に子までなしたいゝ人が出来た今となつては
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
そこで、妹娘のお由を兄の房太郎にめあわせるという内約束になっていることは、わたくしも薄うす知っています。
蜘蛛の夢 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そこで、ていよく悴を口説くどいて、別に似合わしい縁辺を求めて、八重姫——お八重ちゃんという娘を、これにめあわせたのは、親としてしかるべき心づかいだ。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
淡路守が父の横死のことをそんなに口惜しがっているなら、筑摩家と和睦する筈もなく、いかに将軍家のり成しがあってもその妹を織部正にめあわせる訳がない。
されば巨万の財産を挙げて娘の所有ものとなし、姉の下枝に我をめあわせ後日家を譲るよう、叔母はくれぐれ遺言せしが、我等の年紀としわかかりければ、得三はもとのまま一家いっけを支配して
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つまり自分の生んだ女の子が育って、年頃になったなら、必ず木下とめあわして欲しいというのであった。木下の母親もそれまでは断る元気もなく、しぶしぶ承知の旨をうなずいて見せた。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
彼にこの町の気楽な中流階級の娘をめあわせ、日曜日には彼が教会堂のオルガンをくのを聞き、そしていつまでも自分のそばにとどまってること、それが彼女の夢想の全範囲だった。
女房が歿なくなりましたので、弟子の恒太郎つねたろうという器用な柔順おとなしい若者を養子にして、娘のおまさめあわせましたが、恒太の伎倆うでまえはまだ鈍うございますから、念入の仕事やむずかしい注文を受けた時は
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
烏啼の本塞ほんさいの奥の間で、夕飯の膳が出ていた。烏啼天駆と、問題の義弟の的矢貫一と、そしてかねて烏啼が的矢にめあわせたいと思っている養女のお志万と、この三人だけの水入らずの夕餉ゆうげだった。
当時天子は御涙をのんで、いとしき御女おんむすめの君をもって、胡族えびすの主にめあわせたまい、一時の和親を保って臥薪嘗胆がしんしょうたん、その間に弓馬をみがいたという例もあります。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其丈それだけなら申分まうしぶんは無かつたのだが、呉服屋夫婦は道珍和上にめあはせようと為た娘を、今度の朗然和上に差上さしあげて是非ぜひ岡崎御坊に住ませたい、最愛の娘を高僧かうそうに捧げると云ふ事が
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
四条の家の方の養子にしてある幸三郎といふ男とめあはせる考へだつたのであるが、お高さんが自身から芸妓になりたいと言ひ出してきかなかつたので、流石さすがに土地から出すわけにも行かず
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「行く末、信長の三女をめあわそう。よい夫婦みょうとができよう。——賢秀、親元のそちには、異存ないか」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伝えるが、おん身に、めあわせたい女性にょしょうというのは、月輪殿の末姫の玉日とよばるるお方じゃという。綽空には、かねて、存じおろうと思うが……。異存あるか、ないか
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして吉日をぼくして大いに自分が盛宴を設け、不意に、呂布とめあわせて、やんやと、酒席の興にして、大いに笑い祝す趣向とするから。——と、かような言葉なのでした
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さきに主人孫権の妹君を陛下の室におめあわせしてからは、陛下の兵に依って治められるならば呉の領地も同じようなものだとまで、呉では超然とあきらめておりましたが
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なんの相談と思うて来たら、玉日を、綽空とやらいう念仏の一沙弥しゃみめあわそうと仰せらるるよ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、北境の強国、武田信玄のむすめを、北条氏政へ嫁がせて、義元のむすめを、信玄の子義信にめあわせて——三国盟約を結ばせたなどの政治的手腕にも、巨腕を見せて来た僧である。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「綽空——。ここにおられる月輪殿が、この法然を介して、おん身に、ひとりの妻をめあわせたいと、今日、これへ見えられての仰せじゃ。……どうじゃの、妻をめとる心があるか、ないか?」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)