いめ)” の例文
しきいめを見つ。沙本さほかたより、暴雨はやさめり來て、にはかに吾が面をぬらしつ。また錦色の小蛇へみ、我が頸にまつはりつ。
同巻十一の「山吹やまぶきのにほへる妹が唐棣花色はねずいろの、赤裳あかものすがたいめに見えつつ」、同巻十二の「唐棣花色はねずいろの移ろひ易きこころあれば、年をぞ来経きふことは絶えずて」
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
山吹やまぶきのにほへるいも唐棣花色はねずいろ赤裳あかものすがたいめに見えつつ 〔巻十一・二七八六〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
わがせこは相念あいもはずともしきたへの君が枕はいめに見えこそ (同、山口女王)
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
朝柏あさがしはうる八河辺はかはべ小竹しぬのしぬびて宿ればいめに見えけり 〔巻十一・二七五四〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ここに其地そこにます伊奢沙和氣いざさわけの大神の命、夜のいめに見えて、「吾が名を御子の御名に易へまくほし」とのりたまひき。ここに言祷ことほぎて白さく、「恐し、命のまにまに、易へまつらむ」とまをす。
うつくしと念ふ吾妹をいめに見てきてさぐるに無きが不怜サブシサ (巻十二。二九一四)
『さびし』の伝統 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
「大船のたゆたふ海にいかりおろしいかにせばかもわが恋やまむ」(巻十一・二七三八)、「人の見てこととがめせぬいめにだにやまず見えこそ我が恋やまむ」(巻十二・二九五八)の如き例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)