“小竹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ささ44.8%
こちく10.3%
こたけ10.3%
をだけ10.3%
しぬ6.9%
しょうちく6.9%
しの3.4%
サヽ3.4%
シヌ3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吾が宿の春深からず、梅しろく、小竹ささの葉黄なり。霧雨のふればかすかに、鶯の啼けばをさなし。ああ、友よ、一日は過ぐせ、この山のしづけさを。
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かんのつよい、そのくせ体のひよわい小竹こちくは、泣きぬいていたが、やっとわらぶとんの中で、乳を離れかけた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御贔屓になすった芳町よしちょう金八きんぱちにお豐も御ひいきに成りました、義理が有るとこで、まず松源と鳥八十、大茂へまいりまして、又下谷の芸妓ではお稻に小〆こしめ小竹こたけ、小ゑつ
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
夏の夜はしの小竹をだけのふししげみそよやほどなく明くるなりけり
短夜の頃 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
また、「うち靡く春さり来れば小竹しぬうれ尾羽をはうちりて鶯鳴くも」(同・一八三〇)というのもあり、これも鶯の行為をこまかく云っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
山陽だとか、小竹しょうちくだとか、海屋かいおくだとか、広沢こうたくだとか、そんなことがいけない。本当に書をやるには、本家本元の本格のものに就いて正楷を本当に叩き込まなけりゃならぬ。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ここに八尋白智鳥しろちどりになりて、天翔あまがけりて、濱に向きて飛びいでます。ここにその后たち御子たち、その小竹しの苅杙かりばねに、足切り破るれども、その痛みをも忘れて、哭きつつ追ひいでましき。
小竹サヽの葉はみ山もさやにさやげどもわれは妹思ふ別れ来ぬれば 柿本人麿
其中日記:12 (十二) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
……更に小竹シヌ宮に遷る。是時にアタりて、昼暗きこと夜の如し。已に多くの日を経たり。時人常夜行くと言ふ。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)