“夏菊”の読み方と例文
読み方割合
なつぎく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
九谷焼の花瓶に射干ひあふきと白い夏菊なつぎくの花を投込なげこみに差した。中から大きいあぶが飛び出した。紅の毛氈を掛けた欄干てすりの傍へ座ると、青い紐を持つて来て手代が前の幕をかかげてくれた。
住吉祭 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
かべには春画しゆんぐわめいた人物画じんぶつぐわがくがかゝつて、其下そのした花瓶くわびんには黄色きいろ夏菊なつぎくがさしてある。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
門までわずか三四けん左手ゆんでほこらの前を一坪ばかり花壇にして、松葉牡丹まつばぼたん鬼百合おにゆり夏菊なつぎくなど雑植まぜうえの繁った中に、向日葵ひまわりの花は高くはすの葉のごと押被おっかぶさって、何時いつにか星は隠れた。
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)