取圍とりかこ)” の例文
新字:取囲
はねたりけりかゝりし程にところ村役人むらやくにん等は二ヶ所にての騷動さうどうを聞傳て追々に馳集り先友次郎等を取圍とりかこみ事の樣子を聞けるに友次郎はかたち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
平次は笹野新三郎と打合せて、八丁堀を繰出したのはあけ寅刻なゝつ。霜を踏んで倉賀屋から、『さざなみ』の前後を、すつかり取圍とりかこませました。
こゑふるへ、をのゝいて、わたしたち二十人にじふにんあまりをあわたゞしく呼寄よびよせて、あの、二重にぢう三重さんぢうに、しろはだ取圍とりかこませて、衣類きもの衣服きものはななかに、肉身にくしん屏風びやうぶさせて、ひとすくみにりました。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
左樣さやう無論むろん彼娘あのこが』とあいちやんをゆびさしながらドードてうつたので、そのたいのこらず一あいちやんのまはりを取圍とりかこみました。『褒美はうび褒美はうび!』とガヤ/\さけびながら。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
待設まちまうけたりと云ひつゝ兩人ずつと立上り左仲を中に取圍とりかこみサア懷中の金を置てゆけもし彼是かれこれいふ時は是非に及ばず荒療治あられうぢだぞと兩人左仲が手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もよほしける然るに其夜こくとも覺敷頃おぼしきころかぜもなくして燭臺しよくだい燈火ともしびふツとえければ伊賀亮不審ふしんに思ひ天文臺てんもんだいのぼりて四邊あたり見渡みわたすに總て海邊かいへんは數百そうの船にて取圍とりかこかゞりたき品川灣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)