冬枯ふゆがれ)” の例文
夏山 夏野 夏木立なつこだち 青嵐 五月雨さみだれ 雲の峰 秋風 野分のわき 霧 稲妻 あまがわ 星月夜 刈田 こがらし 冬枯ふゆがれ 冬木立 枯野 雪 時雨しぐれ くじら
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
秋の夕暮のもりの景色や、冬枯ふゆがれ野辺の景色や、なんでも沈鬱ちんうつな景色が幻のように見えるかと思うとたちまち消えてしまう。
冬枯ふゆがれの庭は寂しかった。庭の向うに続いた景色も、曇天を映した川の水と一しょに、荒涼を極めたものだった。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
崖の草枯れきばみ、この喬木の冬枯ふゆがれしたこずえに烏がむれをなしてとまる時なぞは、宛然さながら文人画を見る趣がある。
乾燥かんさうした冬枯ふゆがれくさ落葉おちば煙草たばこ吸殼すひがらあやまつててんじて、それがさかんはやしはらうてもしぶつよい、表面へうめん山葵わさびおろしのやうなくぬぎかはは、くろ火傷やけどみきぱいとゞめても
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
我国の雪意ゆきもよひ暖国だんこくひとしからず。およそ九月のなかばより霜をおきて寒気次第しだいはげしく、九月の末にいたれ殺風さつふうはだへ侵入をかし冬枯ふゆがれ諸木しよぼくおとし、天色てんしよくせふ/\として日のひかりざる事連日れんじつ是雪のもよほし也。
日頃ひごろ眺むる東京の煙も、此四五日は大息おおいき吐息といきの息巻荒くあがる様に見える。然し此処ここは田舎である。都の師走しわすは、田舎の霜月しもつき冬枯ふゆがれの寂しい武蔵野は、復活の春を約して、麦が今二寸に伸びて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
なかなかここにはその寒さを忍ぶあたひあらぬを、彼はされども少時しばし居て、又空をながめ、又冬枯ふゆがれ見遣みやり、おなじき日の光を仰ぎ、同き羽子の音を聞きて、おさへんとはしたりけれども抑へ難さのつひに苦く
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
畝竝うねなみの冬枯ふゆがれ根黍ねきびはてしなし夕かげあかく満ちにけるかも
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
冬枯ふゆがれ裾野すその
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
冬枯ふゆがれ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)