一角いつかく)” の例文
宗助そうすけこの一語いちごなかに、あらゆる自暴じばう自棄じきと、不平ふへい憎惡ぞうをと、亂倫らんりん悖徳はいとくと、盲斷まうだん決行けつかうとを想像さうざうして、是等これら一角いつかくれなければならないほど坂井さかゐおとうと
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
吾等われら兩人りやうにんせたる輕氣球けいきゝゆうは、印度洋インドやう天空てんくう横切よこぎつて、きたへ/\と二千哩にせんマイル以上いじやうも、櫻木大佐等さくらぎたいさらいへからはなれたとおもはるゝころはるか/\のてん一角いつかくに、くもか、けぶりのやうに、大陸たいりくかげみとめられた。
大木あふちむらさき淡きいろしづかに朝の庭苑の一角いつかくを占む
大和ぶり (新字旧仮名) / 佐佐木信綱(著)
斯んなふうに、代助は空虚なるわがこゝろ一角いつかくいだいて今日こんにちに至つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)