“やね”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヤネ
語句割合
屋根77.1%
家根17.0%
屋上1.3%
天蓋0.9%
0.9%
鉄蓋0.4%
屋棟0.4%
家峯0.4%
屋蓋0.4%
屋造0.4%
部屋0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なつになると、しろくも屋根やねうえながれました。おんなは、ときどき、それらのうつりかわる自然しぜんたいして、ぼんやりながめましたが
ちょうと三つの石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それから一年あまりの後に家屋の手入れをすると、家根やね瓦の下から長さ一丈ほどの瓢を発見した。その瓢にもひと筋の矢が透っていた。
(歐洲人は思郷病は山國の民多くこれをわづらふとなせり。)されど又ヱネチアのわが故郷ならぬを奈何いかにせむ。われは悵然ちやうぜんとして此寺の屋上やねより降りぬ。
その高い、高い天蓋やね尖端とんがり、それに、朝日が最初の光を投げ、夕日が最後の光を懸ける……。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
火は既にそのやねに及んで居るけれど、まだすつかり燃え出したといふ程ではなく、半分燃え懸けた窓からは、くすぶつた黒い色のけむりがもく/\とすさまじくほとばしり出でて、それがすつかり火に為つたならば
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
喬介はすぐ鉄蓋やねの上へい上った。——実際こんな処では、匐っていなければ墜ちてしまう——そして、その上の無数の跡に就いて調べ始めた。
気狂い機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
一方、鉄蓋やねの上の足跡を一心に調べていた喬介は、やがて私と司法主任に向って
気狂い機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
その中の三十里は日本アルプスの屋棟やねともいふべき信州を流れて、川幅が最も狭く、傾斜が最も急で、岩石の中でも、最も堅硬な花崗岩や、結晶片岩の中を流れてゐるといふ浸蝕谷であるから
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
日本の屋棟やねの中心となつてゐる信州の、最南点であり、最低地点でもある、海面からは僅かに二百米突の高さで、西岸は三河との、東岸は遠江との境界になつてゐる、船頭どもは、こゝまで来て
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
家峯やねの谷になりたる所を俚言りげんにだぎといふ、だぎは春解するやねの雪のしたゝりみなこゝにつたふゆゑ、つらゝはのきよりも大也、下にさはりなき所は二丈もさがる事あり。
汚れ木綿の屋蓋やねのもと
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
やがて二人は根津の西町の町はづれへ出た。石地蔵の佇立たゝずむあたりは、向町むかひまち——所謂いはゆる穢多町で、草葺くさぶき屋造やねが日あたりの好い傾斜に添ふて不規則に並んで居る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「多過ぎるってことがあるものか。とっさんは逗留するんだから、その間の食費と部屋やね代だ」
死の航海 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)