わたしはいよいよ彼女の体に野蛮やばんな力を感じ出した。のみならず彼女のわきしたや何かにあるにおいも感じ出した。その匀はちょっと黒色人種こくしょくじんしゅ皮膚ひふ臭気しゅうきに近いものだった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)