鵞筆ペン)” の例文
けふは局長邸へ伺候して、お書齋で鵞筆ペンを閣下のは二十三本、そしてあの方……ひやあつ!……御令孃のも四本、削つて差しあげた……。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
故意わざと早めに行つて、ゆつくり坐りこんで鵞筆ペンを殘らず削りあげた。うちの局長はよほど賢い人に違ひない。書齋ぢゆう、本のぎつしりつまつた書棚で一杯だ。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
もし誰かが鵞筆ペンを削るのにナイフの要るやうな場合には、イワン・フョードロヸッチが何時もナイフを用意してゐることがわかつてゐたので、取敢へず彼に借用を申し込んだものだ。
『それが苗字からして變なのよ。いつもお書齋に坐つて、鵞筆ペンばかり削つてるの。髮の毛がまるで乾草みたいだわ。旦那さまに時々、下男がはりに走り使ひをさせられたりしてゐるの……。』
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)