高所たかみ)” の例文
その傍らの壁の高所たかみに、銀製の漏斗じょうご型の管があって、そこから香水の霧水沫しぶきが、絶間なく部屋へ吹き出している。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
己が竪琴の高雅な調子しらべを一度として変えたこともなければ、自分の立っている高所たかみから、取るにも足らぬ哀れな文士仲間と同じレベルなどへは決して降ることもなく
と、その時遥か行く手の、高所たかみの上から一点の火光が、木の間を通して見えて来た。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)