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饋
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おく
ふりがな文庫
“
饋
(
おく
)” の例文
わたくしは折角西瓜を人から
饋
(
おく
)
られて、何故こまったかを語るべきはずであったのだ。わたくしが口にすることを好まなければ、下女に与えてもよいはずである。
西瓜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
康子薬を
饋
(
おく
)
る。拝して之を受けしも、丘未だ
達
(
さと
)
らずといいて、敢えて
嘗
(
な
)
めたまわず。(郷党、三)
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
季康子は孔子の病を聞いて薬を
饋
(
おく
)
るという心づかいをした人なのである。また孔子は率直にその誠意を感謝しつつ受けたのである。しかしなぜその薬を嘗めなかったか。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
郊外に隠棲している友人が或年の夏小包郵便に托して大きな西瓜を
一個
(
ひとつ
)
饋
(
おく
)
ってくれたことがあった。その
仕末
(
しまつ
)
にこまって、わたくしはこれを眺めながら覚えず口ずさんだのである。
西瓜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
例外をなすのは、前にあげた
康子
(
こうし
)
薬を
饋
(
おく
)
るの一節のみであろう。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
饋
漢検1級
部首:⾷
21画