餼羊きよう)” の例文
告朔こくさく餼羊きようと云う故事こじもある事だから、これでもやらんよりはましかも知れない。しかしやっても別段主人のためにはならない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
子貢が、告朔こくさくの礼に餼羊きようをお供えするのはむだだといって、これを廃止することを希望した。すると先師はいわれた。——
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
これはまったく原意を失った告朔こくさく餼羊きようともいうべきもので、本来は衣服の料たる布帛、或いはその原料たる麻苧などを、幣物として神に供するものであった。
『論語』の八佾はちいつ篇においては、孔子は宗廟の祭りや泰山たいざんまつりていの祭りや告朔こくさく餼羊きようや社の樹などについて語っているにかかわらず、その主たる関心は礼の保持であって信仰の鼓吹ではない。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)