飯盛女めしもり)” の例文
この東海道——わけて戸塚の宿には、飯盛女めしもりがたくさんいた。灯がともると、街道の安旅籠はたごの軒ばに、白い蝙蝠こうもりみたいな白粉おしろいの女たちが出て、旅の者を悩ました。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おまえらは、何をさらすんじゃ。このお方はわしが若いころに、乳母うばに上がっていたお屋敷の若様で塙郁次郎はなわいくじろう様と仰っしゃるお人じゃ。めっそうもない飯盛女めしもりたちじゃ」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)