飛島山あすかやま)” の例文
十八になつたばかりの、咲きめた櫻のやうに美しいお仙は、町内の花見の連中に加はつて、飛島山あすかやまへ行つたのです。
「知つてるよ、それで巣鴨へ花見に行かうといふんだらう。向島か飛島山あすかやまなら花見も洒落しやれてゐるが、巣鴨の田圃で蓮華草れんげさうむなんざ、こちとらの柄にないぜ、八」
「面白がつて笑つて居たさうですよ、薄情な野郎で。尤も、それから直ぐ飛島山あすかやまの花見で、戀わづらひでせう。戀患ひでもしようと言ふふてえ野郎は、他の女の子のことなんか、思ひやりがないわけで」