颶風つむじかぜ)” の例文
その風が、颶風つむじかぜのようにさっ四辺あたりの枯葉を捲き上げました。紛乱ふんらんとして舞い上る枯葉の中に立った竜之助は、今その墓から出て来たもののようであります。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
延元三年、親房は宗良親王を奉じて東下せしに、颶風つむじかぜに遭ひて、一行の船四散し、親房は常陸に漂着し、ひと先づ小田城に入る。然るに城主小田治久賊に心を寄せければ、関城に移れり。
秋の筑波山 (新字新仮名) / 大町桂月(著)
船頭がお角のおもてを見つめたままでこう言いかけた時に、お角は颶風つむじかぜのように身を起して
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)