顧客こきゃく)” の例文
もちろんここを中心とする三万の将士を顧客こきゃくとして始まったものであろうが、その人間を目標にまた人間が集まって複数的な繁昌を呈しているのであった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それで充分の顧客こきゃくがあった。公正証書も担保たんぽ物も不要だった。相手の公表をはばかる弱点を唯一の武器として、しかし、月五分以上の利息はむさぼらなかった。彼の資産は見る見るふえて行った。
月と手袋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)