つつ)” の例文
母は自分の領分に踏み込まれたるように気をわるくするがつらく、光をつつみてことばすくなに気もつかぬていに控え目にしていれば、かえって意地わるのやれ鈍物のと思われ言わるるも情けなし。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
光をつつめる女の、言葉多からず起居たちいにしとやかなれば、見たる所は目より鼻にぬけるほど華手はでには見えねど、不なれながらもよくこちの気を飲み込みて機転もきき、第一心がけの殊勝なるを
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)