鞍掛藏人くらかけくらんど)” の例文
新字:鞍掛蔵人
手に取つて見ると、紙に包んで小僧二人の分は十兩づつ、下女と下男へ五兩づつ、手代へ五十兩、居候の鞍掛藏人くらかけくらんどへ二百兩。
浪人者の鞍掛藏人くらかけくらんどに言はせると、この脇差は犬威いぬおどしのやうなもので、町人のたしなみに持つたものだらうと言ふこと、武士の魂とは、少し縁の遠い代物しろものです。
もう一人、鞍掛藏人くらかけくらんどといふ恐ろしくいかめしい名を持つた浪人者が居候をして居ります。四十年輩ねんぱいの遠縁のお國者で、名前のむづかしいに似ぬ、猫の子のやうな二本差でした。