霜枯三月しもがれみつき)” の例文
不夜城を誇顔の電気灯は、軒より下の物の影を往来へ投げて居れど、霜枯三月しもがれみつきの淋しさは免れず、大門から水道尻まで、茶屋の二階に甲走ツた声のさゞめきも聞えぬ。
里の今昔 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
不夜城を誇顔ほこりがおの電気燈は、のきより下の物の影を往来へ投げておれど、霜枯三月しもがれみつきの淋しさはまぬかれず、大門から水道尻まで、茶屋の二階に甲走かんばしッた声のさざめきも聞えぬ。
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)