雕虫ちょうちゅう)” の例文
一面には従来の文章型を根本から破壊した革命家であったが、同時に一面においてはまた極めて神経的な新らしい雕虫ちょうちゅうの技術家であった。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
一は全く無心の間事かんじである。一は雕虫ちょうちゅうの苦、推敲すいこうの難、しばしば人をして長大息ちょうたいそくを漏らさしむるが故である。
十日の菊 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
儒教や武家の教養から文芸を雕虫ちょうちゅう末技視して軽侮する思想が頭の隅のドコかにへばり着いていて一生文人として終るを何となく物足らなく思わした。
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)