閉伊へい)” の例文
また閉伊へい郡の六角牛ろっこうし山では、青笹村の某が山に入ってマダの樹の皮を剥いでいると、じっと立って見ていた七尺余りの男があった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
▼——義経の一子は、密かに、佐々木四郎高綱の許で育てられ、左兵衛義高となって、後に、岩手県閉伊へい田鎖たぐさりの領主となった。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが岩手県では閉伊へい郡の北端に、普代ふだいの官有林というのが海に臨む段丘の上にあって、広大なかしわ林であった。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
閉伊へい男鹿おが島の荒蝦夷あらえびすの住んだ国にも、入れ代わってわれわれの神を敬する同胞が、早い昔から邑里を構え、満天の風雪を物の数ともせず、伊勢の暦が春を告ぐるごとに
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)