蔦之助も、めぐりぞったこのれの場所ばしょで、いま、鏑籐日輪巻かぶらとうにちりんまき強弓ごうきゅうにピッタリと矢筈やはずをかましたしゅんかん、なんともいえない爽快そうかいな気持がむねいっぱいにひらけてきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)