銷磨すりへら)” の例文
自分は其を隠蔽かくさう隠蔽さうとして、持つて生れた自然の性質を銷磨すりへらして居たのだ。其為に一時いつときも自分を忘れることが出来なかつたのだ。思へば今迄の生涯は虚偽いつはりの生涯であつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)