鉈豆煙管なたまめきせる)” の例文
皮製で財布のような恰好かっこうをした煙草入れに真鍮しんちゅう鉈豆煙管なたまめきせるを買ってもらって得意になっていた。
喫煙四十年 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
やけに、鉈豆煙管なたまめきせるで、煙をふかす。イワも、無言で、ワラジを編む。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
彼は毎日、汚れた浅黄の手拭で頬冠りをして、使い古した、柄に草木の緑色が乾着いている、刃先の白いつくしを担いで、鉈豆煙管なたまめきせるきざみ煙草を燻しながら、芋蔓の絡んでいそうな、籔から籔と覗き歩いた。
(新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)