新字:酸漿提灯
一寸ちょっとそこまで町を見に行って参りました」とお種は垣根の外から声を掛けた。お房は酸漿提燈ほおずきちょうちんを手にして、ず家へ入った。つづいて伯母も入って、そこへお菊を卸した。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)