酒石酸しゅせきさん)” の例文
酒石酸しゅせきさんの結晶に関する論文が、パリの科学学士院会員として著名なビオーたちに認められ、それからはいつもその恩顧を受けるようになりました。
ルイ・パストゥール (新字新仮名) / 石原純(著)
少し気を直すつもりで酒石酸しゅせきさんをつめたい水に入れて呑んでいましたら、ずうっと遠くですきとおった口笛が聞えました。
ポラーノの広場 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
食品屋に売っているよ。焼粉がなければ炭酸曹達たんさんそうだ酒石酸しゅせきさんを交ぜて焼粉の代りにしてもいい。この粉とカステラ鍋と菓子型さえあれば大概な西洋菓子は出来る。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
どんな頑固なシャックリでも酒石酸しゅせきさん炭酸曹達たんさんそうだがあれば直ぐ癒る。しかし沸騰酸ふっとうさんのようにして一緒に飲んではいかん。先ず酒石酸を二グラム以内即ち五分ばかりオブラートへ包んで先へ飲むのだ。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)