酒壺しゅこ)” の例文
初めは、非常に疑っている顔いろだったが、同じ酒壺しゅこの酒を孔明も共に飲んで他事なく話しかけるので、孟獲も果ては大盃でがぶがぶ飲み乾した。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
張飛は、残る三分の一の兵をそこに止めて、なお一刻ほど、酒壺しゅこを離さず、時おり、星の移行を測っていた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「門出の心祝いです。どうかこれを収めて、士卒のはしにいたるまで、一さんずつわけてあげて下さい」と、途中、酒賈さかやからあがなってきた酒壺しゅこをたくさんに陣中へ運ばせた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひとつ仲秋の名月に酒壺しゅこを開いて、あの朱武、楊春、陳達らの三人と、思うさま飲んだり話してみたいものだと考えた。そこでまた、いつもの王四に、招待状を持たせて少華山へやった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、酒壺しゅこを開いて、陣宴のかんに沸いていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)