酌器サバリ)” の例文
私も愉快になって酒の酌器サバリを重ね、又久し振りにありついた臓物に舌鼓を打った。その中に方々から男達が真中へ踊り出て乱舞となり、唄声は一層悲痛な調を帯びて来た。
親方コブセ (新字新仮名) / 金史良(著)
みんなで臓物トンチャンを焼きながら濁白タクペギ(濁り酒)をついだ白い酌器サバリを廻しつつ歌い合っていた。片隅で一人の男は長鼓を打ち鳴らし、真中では先刻の親方コブセが立ち上って踊っている最中だった。
親方コブセ (新字新仮名) / 金史良(著)