鄢陵えんりょう)” の例文
楚の南方の属国たる巣と徐とが呉の侵略を受け、子反は之が防戦のため、一歳に七度奔命せねばならなかった。後数年、鄢陵えんりょうの敗戦の責を引いて、子反は自らくびはねた。
妖氛録 (新字新仮名) / 中島敦(著)
左氏さし鄢陵えんりょうたたかいを記するに当ってもまず敵の陣勢から述べている。古来から叙述に巧みなるものは皆この筆法を用いるのが通則になっている。だによって吾輩が蜂の陣立てを話すのも仔細しさいなかろう。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)