都度都度つどつど)” の例文
道庵の屋根の上では、その都度都度つどつど馬鹿囃子がはじまります。馬鹿囃子がはじまると、鰡八大尽の妾宅は滅茶滅茶にされてしまいます。
お松の方でも、程遠からぬ七兵衛の実家を尋ねたということをあまり聞かないのは、尋ねても、その都度都度つどつど行方ゆくえが知れないからでありましょう。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その奥方に宛てて能登守が毎日のように手紙を書いては送り、奥方からもまたこの道中の都度都度つどつどに音信のあることがわかります。能登守も若いから奥方も若いに違いない。
その都度都度つどつどの呼吸はかなり切迫しているらしく、浮袋にしがみついた瞬間は、全く命からがらと見なければならないのですが、それがどうも、滑稽としか見えないのは、この人物の持味もちあじ
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)