遊行女婦うかれめ)” の例文
対馬でこの玉槻という遊行女婦うかれめなどは唯一の慰めであったのかも知れない。この一行のある者は帰途に病み、大使継麿のごときは病歿している。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
大宰帥だざいのそつ大伴旅人や、越中守大伴家持などと歌の贈答をしたという、名誉の遊行女婦うかれめがすでに奈良朝にあった。遊女と云うはけだしその略で、或いはそれをもクグツと云った。
賤民概説 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
遊行女婦うかれめは作歌することが一つの款待かんたい方法であったのだから、このくらいのものは作り得たと解釈していいだろうか。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「万葉集」に遊行女婦うかれめというのは遊女で、これまた一つの「くぐつ」であった。
この歌の「と」の用法につき、あられ松原と弟日娘と両方とも見れど飽きないと解く説もある。娘は遊行女婦うかれめであったろうから、美しかったものであろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)