軒葱のきしのぶ)” の例文
縁側に萎れかけた軒葱のきしのぶの玉を一つ吊して、狭苦しい薄暗い室の中で、四十歳ばかりなのと十四五歳ばかりなのとが、多分母と娘とであろうが、夏の暑い中を毎日せっせと縫物をしていた。
道連 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)